Maguronesia Shop

2020/06/26 15:45

今回は、「水産振興による経済開発を行いながら、海の豊かさを守ろう」という、一見矛盾しているように感じる課題に対する取り組みについてです。


 インドネシアは無数の島々からなる島しょ国で、都心部と地方で格差が広がること、国として地域間産業均衡を保つために地方の水産振興と経済開発を図っていることは前の記事で述べたところです。

 まず、なぜここまでインドネシアにこだわるのか、という点から説明したいと思います。

 実はインドネシアは2016年の水産物生産量・漁獲量は中国に次いで第2位、マグロ漁獲量は324,272(*1)トンで世界119か国で第1位(https://www.globalnote.jp)と水産資源が豊富な国です。

 しかし、豊富な資源を保有しつつもお魚を運ぶための冷蔵物流(コールドチェーン)が脆弱であったり、そもそも鮮度保持のノウハウを持ち合わせない水産業就業者が多いことなどが原因となり、品質を保ちつつ輸送を行うことが困難な場所でもあります。

 結論としては潤沢な水産資源を持ちながらも、生かしきれず、経済活動への還元が不十分、ということになります。

 また、資源豊富な産地であるにもかかわらず、まだまだ産地としてはマイナーである要因の1つとしては、生のままで鮮度が維持できず、この多くが冷凍され加工用の原材料となったり、缶詰になってしまうことで産地が見えなくなってしまうことが挙げられます。当然、加工用の原材料ですので付加価値はつかず、安価に買い叩かれてしまいます。

 現状と課題点としてはこんなところでしょうか。

 ・国を挙げて地方の経済開発と水産振興に取り組んでおり、水産資源は豊富

 ・加工・鮮度保持のノウハウがない、職業教育が不十分

 ・冷蔵物流が脆弱で生のまま出荷できず、加工用の原材料になってしまっているものがある

これらの課題を解決すべく、当社でもITを活用した水産技術指導に加えて冷蔵物流の最適化指導も実地にて行っており、また、多くの日系企業も取り組みをはじめています。その取り組みがこちら。


しかしながら冷蔵物流が確立されたとしても、ドンドン釣ってドンドン送ればよいということにはなりません。

 資源は有限です。

国に指導に基づき、決められた量を自然に負荷の少ない漁法(手釣り、延縄など)によって漁獲して初めて、資源保護と経済開発の両立がなされます。

また、どの産地で、いつ水揚げされたか、誰が加工したか、などのトレーサビリティ情報も重要です。当社の取り組みはこちら

いかがでしたでしょうか。身近な存在のマグロも、釣って終わり、食べて終わり、ではありません。生産者や物流業者、販売業者、小売店など、多くの人の手を介在し、私たちの地球にある有効な生物資源を食べ物として消費しています。

この関係性が歪まないように、産地を生かし、資源を生かしながら持続的な消費になるように、当社はインドネシア政府や国営水産公社、漁師さんたちと協力しながら、商品の製造と販売を行っています。もちろん、私たちだけではインドネシアの開発課題は解決されず、日本の販売者や消費者の皆様へのPRも必要です。

近い将来、当地の課題が解決され、日本の食卓にもおいしいマグロを供給し続けられるように。

そんな想いを込めて、MAGURONESIAブランドを設立し、販売しています。


出典
*1 グローバルノート(https://www.globalnote.jp

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