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2020/06/26 15:48


 ハンガーマップ2017(*1)によると、世界人口の10分の1以上にあたるおよそ8億人を超える人が栄養不足の状態に陥っています。国際貧困ライン(*2)といわれる1日1.9ドル未満で生活している人は7億人以上とされています。

 私たちの仕入れ先であるインドネシアでは、依然としてこの貧困層が総人口の6.8%(*3)も存在します。さらに、貧困所得者層の少し上にいる低所得者層がまだ人口の大半を占めている状態です。(*4)

もう少し詳しく、国内地域別に見てみると、産業が集積するジャカルタ周辺の都心部に富が偏り、仕事の少ない地方に貧困者層が集中する傾向があるようです。(程度の差はあれど、これはどこの国も一緒ですね。)

ちなみに首都ジャカルタから3,000km離れたマルク州(都市名:アンボン)という地域はGDP換算で1日4.38ドル(*5)(22,857千ルピア/年)、首都ジャカルタの44.55ドルと比較すると、実に10倍以上も差があります。


特にインドネシアは17,000もの島々から為る島しょ国ゆえ、地理的に連続した産業構造を構築することが難しく、これが要因の一つになっていると思います。

 インドネシアでも国を挙げてこの問題に取り組んでおり、国家政策(RPJPN(*6))において、『7. 海洋国家としての科学技術の向上と資源保護及び防衛力を強化した国家作り』を挙げ、水産資源開発にも取り組んでいます。

地方ならではの産業を育成しよう!ということですね、納得です。

しかし産業育成には同時に、そこで汗水たらして働く人たちの職業教育も必要となります。まだまだマルク州などの僻地地域では、品質管理知識の不足により価値を失ったおさかなが廃棄されたりすることがしばしば。

このような地域においても技術指導を行い、良い品質のものについては現地の流通価格よりも高く買取るなどしてフェアトレードを目指しています。ちなみに当社で活用しているシステムはこちら。 日経新聞にも取り上げていただきました。コロナ禍でも国境をまたぎ職業訓練ができるという優れものです。

「慈善」ではない、人と資源を有効活用した「持続可能な取引」を推進することで貧困対策に貢献していきたいと考えています。

私たちは、知らず知らずのうちに搾取の構図の上に立ち、貧困層から労働力を搾取し安い賃金対価で製造させた商品を買い、喜んで消費しているかもしれません。そうった生産-消費活動で成立している社会もあり、一概に悪いとも言えませんし、一つ一つの商品について製造者との関係性を検証して買い物をすることなんて不可能でしょう。

ただ、たまには立ち止まって調べてみる、考えてみることで少しずつ世界が変わっていくのではないでしょうか。

そんな想いを込めて、MAGURONESIAブランドを設立し、販売しています。

出典
*1 WFP国連世界食糧計画(WPF:World Food Programme:wpf.org)
*2 世界銀行(The World Bank:http://www.worldbank.org)が2015年10月に1.9ドルと定めました。
*3 インドネシア中央統計局(https://www.bps.go.id)2018年調べ
*4 インドネシアの中央統計局(BPS: Badan Pusat Statistik)は、社会経済調査(SUSENAS: Survei Social Ekonomi Nasional)のデータに基づき、貧困ライン及び貧困ライン以下の人口を設定して いる。BPS は、「貧困ライン」を「一人一日 2,100 キロカロリー相当の食糧と、それ以外の必需 品(衣服・住居・教育・保健・交通等の 25~27 非食品項目)を得るのに最低限必要な支出水準」 と定義し、都市部と農村部別に総合貧困ラインを定めている。
*5 yahooファイナンス(2018/11/30付レート参照)
*6 インドネシア政府の国家長期開発計画(国家開発計画省:BAPPENAS策定https://www.bappenas.go.id/id/)

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